発行:1998年5月17日

ウォッチャーズ事務局

編集責任:中山

ウォッチャーズ第二回勉強会が、1月31日(土)練馬女性センターにおいて行われました。講師は会員である弁護士の渕脇みどりさんで、「外部監査制度」についてでした。参加者は15名。東京新聞の取材もあり、2月1日の朝刊に記事が掲載されました。

監査委員とは?

 

都および特別区(23区)の監査委員定数は3〜4名で、「現職議員」と「識見」と呼ばれる有識者(2名)からなっています。地方自治体の財務や事業を監査するため、地方自治法で設置が義務づけられています。税金の使われ方を監査する人たちですから、公平な監査が行われているかどうかは私たち住民にとって、関心をもって見続けなければならないところではないでしょうか?

外部監査制度とは?

 

外部監査の導入は、監査委員制度の「独立性」「専門性」を強化するという観点にたって法制化されました。高度な専門知識を持ち(公認会計士、弁護士、税理士等)、地方公共団体に属さず(地方公務員でなく)、外部から公平な立場で判断できる人と自治体が監査契約を結びます。契約は、【包括外部監査契約】【個別外部監査契約】の2つがあります。

 

平成11年4月から、都道府県、政令指定都市、中核市に【包括外部監査契約】の導入が義務づけられました。会計年度毎の契約とし、年に1回以上(連続して3回まで)特定のテーマについての財務監査を行います。結果は公表しなければなりません。

 

【個別外部監査契約】は義務づけでなく、条例により導入できます。「選挙民からの事務監査請求」「議会からの監査請求」「長(知事、市長、区長等)からの監査請求」「長からの財政援助団体等に対する監査請求」「住民監査請求」が対象となります。ただし、「住民監査請求」は前4項と手続き面などで違いがあります。

 

外部監査について、東京都に聞いてみましたが平成11年の導入という事で、まだ準備段階のようです。具体的になっていないなら、住民の意見も制度上に活かせるかもしれません。現状を知るために、ウォッチャーズでは2月中旬から、都および23区の監査事務局に対して電話によるアンケートを行いました。その結果は添付しました別表です。ご覧ください。

 

監査委員アンケートのまとめ 

 

 東京都および23区の監査委員のうち、議員数は全体で38名。そのうち会派別にみますと、自民党19名、公明党12名次に共産党2名その他1名ずつが自民クラブ、区政民主、民主、自民・さきがけ平成連合、その他(与党との回答)となっております。自民・公明で8割を占め、野党から選んだと回答した区は板橋区でした。

 

 識見委員の合計は46名(足立区は識見委員がいません)。そのうち自治体(当該区や都)職員OBが16名、職業専門家(公認会計士・弁護士・税理士)も16名となります。その他団体職員・会社役員が7名、議員OB3名、学識経験者2名となりました。ただし、江東区は識見についての回答が得られませんでしたので、数値には含まれていません。

 

 代表監査委員をみますと、自治体OBが13名とトップを占め、職業専門家は5名、議員OB2名、団体・会社役員1名、学識経験者1名でした。

 

 1996年4月26日の東京新聞朝刊に監査委員アンケートの記事が掲載されていました。調査したのは、「市民政治フォーラムねりま」(代表:新藤宗幸立教大教授)との事で、同じ練馬区の人たちがすでに関心をもっていた事がわかりました。記事から今回のウォッチャーズの調査と比較してみます。(尚調査は23区の識見委員についてのみ行われています。)

 

調査年月

1996年4月

1998年2月(江東区回答なし)

識見委員数

44名(欠員2名)

44名(欠員2名)

自治体OB

15名

15名

区議OB

          7名

           3名

職業専門家

12名

16名

団体・会社役員

(学識経験者含む)

10名

           8名

備考

2名とも区議OB: 江戸川区

1名が区議0B:

 千代田区・荒川区・練馬区

2名とも自治体OB:

 文京区・目黒区・世田谷区

専門家・学識経験者のみ: 北区

2名が自治体OB: 文京区

2名が自治体OBや区議OB:

 練馬区・江戸川区

代表監査委員が職業専門家:

 中央区・港区・新宿区・墨田区

2名が職業専門家: 荒川区

専門家・学識経験者のみ: 北区

 

1996年当時、新藤代表は「区の元幹部や与党の元議員では、区長との一体性が否定できず、仲間うちの監査でしかない、今、地方分権というときに、自治体が自らをきちんと監視できないのでは困る。自ら進んで改革すべきだ」と述べていますが、今回の調査で少しではありますが職業専門家の占める割合が増えてきています。ただ、自治体OBの人数に変化はなく、以前の調査ではふれていませんが、代表監査委員に占める割合も多いのが気になります。区政について公平な立場で監査が行われるために、私たちがもっと声をあげていく必要性を痛感する結果となりました。 (中山)

 

ウォッチャーズ第2回総会のお知らせ

日時: 6月14日(日)午前10時〜

場所: 練馬女性センター 視聴覚室

内容: 決算報告、訴訟報告、インターネット(ホームページ)体験など

 

昨年(1997年)4月、ウォッチャーズ会員の鈴木さんが「春日町図書館取得に関する住民監査結果の検討及び意志決定に係る文書」という内容で練馬区監査委員宛てに情報公開請求を行いましたが、2件の文書が非公開とされました。6月には非公開についての異議申立て、そして、今年2月、練馬区情報公開審査会に対して意見書の提出を行っています。情報公開審査会での意見陳述が4月17日行われました。

 

口頭意見陳述報告および室地氏との会見 鈴木 順子

 4月17日、練馬区庁舎191905会議室で、情報公開異議申立ての口頭意見陳述が行われました。異議申立人である私の他に、代理人として5名が参加しました(土肥・中山・野澤・望月・高橋)。

 審査委員の前で、私が情報公開・異議申立てに至った経緯を述べ、野澤さんが条文解釈、望月さんが文書公開の必要性、土肥さんがウォッチャーズを代表しての意見をそれぞれ述べました。

 こちらの陳述が終わり、質疑の時間になって(私たちが録音していることにクレームがつきここから録音記録なし)、審査会の委員とのやりとりがありました。

 委員は開口一番、「文書は裁判所から取寄せる手続きをしていないのか?」から始まり、しきりに裁判との関係を強調するのでした。私たちがいくら「岩波三郎氏個人に対する裁判は文書の公開・非公開の判断とは関係がありません。監査委員の非公開理由が、条例に照らして適正かどうかが問題なのです」と言っても、「裁判所から文書を出してもらえばいいのではないか」、果ては「裁判も情報公開も本流は1本。これが住民運動だ、ということ」など、呆れ果てるような発言も飛び出しました。本来問題となるはずの条文解釈については、一言も触れられませんでした。

 情報公開審査会の委員はすべて区長の委嘱です。区長が選ぶのですから、限界があるも当たり前かもしれませんが、それにしても...。

 

 意見陳述終了後、室地元再開発担当課長(現・用地課長)に会いに行きました。春日町再開発についての話を聞くためです。私たちの裁判の中で、室地氏は岩波氏のために多くの証拠書類を作成しています。一方、私たちには「ご質問はすべて情報公開でやって下さい」と、木で鼻をくくるような対応です。この裁判において、練馬区は原告でも被告でもない第三者です。私たちは練馬区に代わって岩波氏に約8億円の請求をしているのですし、私たちが勝訴して利益を受けるのは「練馬区」なのです。情報提供を両方にするのならまだしも、一方にだけ情報を提供し裁判書類まで作成してやるというのは、一体どういうことなのでしょうか。

 室地氏は、どのような立場として証拠書類を作成しているのか尋ねると、「(岩波区長の)弁護士から総務(部)に話があり、総務からの要請で私が作りました」と答えました。これは、区の職員が公務中に岩波氏個人の裁判書類をつくっているということで、公私混同も甚だしい、非常に問題のある発言です。

 

 私は、今回の口頭意見陳述での委員発言、室地氏の発言、どちらも基本的なところを区別せず、今まで曖昧にやっていたことの現われではないかと思いましたが、みなさんは如何お考えですか?

 

5月7日訴訟報告  望月 浩一郎

 春日町図書館の住民訴訟も第6回目の期日となり、ようやく図書館がべらぼうに高かった理由がわかってきました。

 まず、図書館がどのくらい高いかを他の階と比較すると次の表のとおりです。

部分 床価額 20坪の価額 指数
住宅 3F19F 2,283(千円/) 4,566万円 79
図書館 1F2F 4,842(千円/) 9,684万円 168
専門店 1F 2,880(千円/) 5,760万円 100
スーパー BF 1,982(千円/) 3,964万円 69

 住宅と商業施設があるビルの各階の経済的価値は、階によって異なります。建設省の「併存住宅に対する階層別指数」では、各階層毎の経済的価値をBF:601F:1002F:703F以上:30としています。

 

 春日町図書館が入っているエルム春日町ビルは、高層建物であり、高層階は眺望がすぐれており、また、BFについては地下鉄駅と直結しているため、住宅階及びBFの価値は標準より高く評価されますが、2FBF2.5倍にもなることはありません。

 

 さて、どうしてこのように図書館が高くなったのか、どうゆうカラクリがあったのかというのが、わかってきたのが第5回、第6回の裁判です。

 

 エルム春日町再開発はバブル経済期に計画が進められました。ところが、再開発を進めていく途中でバブルがはじけて、採算が合わなくなってしまいました。本来ならば計画を練り直して進めなければいけないのですが、計画変更をすることなく、ツケを練馬区に押しつけて強引に計画を進めたのです。しかも、ツケを補助金の支出という方法をとると目立つので、図書館価額を操作するというヤミ補助金の支出が取られています。

 

 カラクリとしては、

@ 再開発前に地権者が所有していた土地について、4年前に遡りバブル期の高値(公示地価から推計すると143%)で評価する。

A 床価額を計算するときに、1Fの専有面積を3分の2に減額し、地権者が取得する1Fの価額総額を低額にする。

B 1F2Fの権利評価割合を、1F100としたときに、2F105BF46と恣意的に操作する。

という3とおりの方法で価額を下げております。

 

 @の方法を取ることで、練馬区は、1994年に1990年の価額(4割高)で土地を取得したことになり、A、Bの方法を取ることで、練馬区が取得する部分は相対的に高額になります。

 これにより約68億円のヤミ補助金を支出したのです。

 

 次回には、岩波三郎氏側から、反論が予定されています。どのような反論になるのか続報を楽しみにしていてください。

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