プール開きをひかえた6月6日、上小では通算3度目の「プールのヤゴ救出作戦」が行われました。
救出作戦の当事者は例年同様本校の6年生です。
昨年と同じく、まずプールへ移動する前に隊員の田中つとむさんからヤゴの種類、カウントの仕方などのレクチャーを受けました。
その後プールへ移動し、各クラスとも「捕獲部隊」と「計測部隊」の2グループにわかれ、「捕獲部隊」がプールからヤゴをすくいあげ、それを「計測部隊」が種類別に分けてカウントしていく、という方法をとりました。
この日救出されたヤゴの計数です。
| ヤゴの種類 | 2002年の数 | 2001年の数 | 2000年の数 |
| アカトンボ型 | 1929 | 1116 | 6801 |
| ショウジョウトンボ | 4 | 0 | 2 |
| シオカラトンボ | 581 | 0 | 32 |
| オオシオカラトンボ | ? | 65 | 1 |
| ギンヤンマ | 197 | 350 | 0 |
| イトトンボ | 2 | 3 |
0 |
| 合 計 | 2709 | 1534 | 6836 |
※シオカラトンボが581、オオシオカラトンボは?とありますが、今回救出したシオカラ型のヤゴは体長5ミリ程度のものがほとんどで、同定することが不可能なため、シオカラトンボの数字にいっしょにまとめました。
※その他…ヒル18匹、サカマキガイ(多数)、アメンボ(15匹)、コミズムシ(8匹)、ミズムシ(8匹)がいました。
ヒル、サカマキガイなどはプールに飛来するカルガモの脚などについて、外からやってきたと考えられます。
一昨年、多数見られたフタバカゲロウの幼虫は昨年同様みつかりませんでした。
前年度2001年のデータと比較して次のような変化がわかりました。
| 1.シオカラ型のヤゴが数を増やした。 2.ギンヤンマのヤゴの数は減ってしまった。 3.アカトンボ型のヤゴが少し増えた また数の変化に加えて |
2001年9月、プールじまいのあと、2002年のヤゴ救出にむけて当時の5年生が「2001年ヤゴおさそいセット」をプールに投入しました。
(そのときの経緯はこちらをごらんください。)
そのとき、ヤゴおさそいセットを「ギンヤンマやイトトンボを少しでも多くよぶために」前年の3倍量投入しました。
グラスボート型(カゴなどにペットボトルを浮き輪のようにとりつけて、そこへフトイなどの茎のしっかりした植物を植えた鉢をいれたもの)も昨年の2倍の数に増やしました。
ギンヤンマ、イトトンボは草の茎などに卵をうみつけるので、それが前年よりも多くあれば、それだけ産卵の可能性が増えるのではないかと考えたためです。
その後探検隊隊員が春までに何度かプールにアミをいれ、ヤゴの有無を観察しました。
「ギンヤンマのヤゴがあまりみつからない、他のヤゴもほとんどアミにかからない」というのが隊員の印象でした。
今年は気温が暖かくなるのが早く、トンボ池のギンヤンマは前年よりも9日も早く羽化したのですが、プールの方は結局ヤゴ救出の日まで終齢サイズのアカトンボ型やシオカラ型のヤゴがアミにひっかることは、ほとんどありませんでした。何らかの原因で孵化が遅れていたのではないかと考えられます。
シオカラ型のトンボは水草のまわりになわばりを持ちます。
今回グラスボート型のおさそいセットが前年度の倍量投入されたために、プールにおけるシオカラ型トンボのなわばりの数が増え、シオカラの飛来数が増えたことにより、産卵数が伸びたのではないか、という推測ができます。
またシオカラ型のヤゴは泥の中を好んで暮らします。
今回もプールに部分的にたまっていた泥をすくい上げると、そこにはシオカラ型のヤゴがたくさんいました。
一方アカトンボ型のヤゴは水のきれいなところを好むようです。
その結果、アカトンボ型ヤゴはギンヤンマなどの大きいヤゴから見つかりやすく、エサになってしまう可能性も高いのですが、泥の中を好むシオカラ型ヤゴはギンヤンマのヤゴからみつかりにくく、エサになりにくいといえます。
シオカラ型のヤゴが増えたのは、以上のような要因があったからではないかと考えられます。
一方ギンヤンマが数を減らした原因については
1.飛来数が少なかった。
2.シオカラ型トンボが水草の周りになわばりをはっていたために、ギンヤンマが水草の茎に産卵することが難しかった。
などが推測できますが、はっきりとしたことはわかりません。
引き続き観察を続けたいと思います。
アカトンボ型のヤゴが数を増やしたのは、ギンヤンマが減ったからとも考えられます。
(アカトンボ型ヤゴはギンヤンマのえさになりやすいため)
ギンヤンマの数とアカトンボ型の数には負の相関があるようです。
またプールに草を投入するようになって、変化したことがあります。
それはプールの水の透明度が上がったということです。
ヤゴの救出を本格的に始める以前の上小のプールは、水が緑色に濁ってプールの底などまったく見えないのが通常でした。
ところがおさそいセット(草)を入れるようになってからの2年間は、プール開き直前まで水が濁るということがなくなりました。
プールの底のほうで泳いでいるギンヤンマのヤゴの姿などがはっきりと上からわかるくらい、透明な水のままなのです。
草を大量に投入しているのだから、草が腐って水が早く濁るだろうと思っていたのですが、実際は逆になりました。
上小と同じように草をプールに投入し、ギンヤンマのヤゴを呼んでいる「慶応幼稚舎」の清水先生のお話によれば、まったく同じ状況(プールの水が濁らなくなった)が幼稚舎のプールでも見られるそうです。
草の投入により、植物プランクトンが増え、それをえさにする動物プランクトンも増えて、水を濁らせる植物プランクトンの数が減ったのではないかとも考えられますが、これについてもはっきりとした原因はまだわかっていません。
2002年度ヤゴサポーター作り〜ヤゴ救出まで
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5月9日、前年度よりも9日も早いトンボ池のギンヤンマの羽化(4月22日初認)を受けて、プールのヤゴの羽化をお手伝いする「ヤゴサポーター作り」をしました。 (「ヤゴサポーター」については昨年度の活動をご覧下さい。) 昨年古いカーテン生地で作ったサポーターを、そのまま再利用することにしました。 |
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できあがったサポーターをプールの2箇所に綱を張って取り付けました。 前年度の経験から、ギンヤンマのヤゴはプールの端のほうにいることが多いとわかったため(真中にはなぜか集まりません)、綱もプールの端2箇所にはりました。 |
| 5月25日、ヤゴサポーターをつたって今年プールで初の羽化が確認されました。 昨年の初認は5月20日でしたので、5日遅いことになります。 |
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6月6日、ヤゴ救出の日です。 今年も給食室からもらった、しめじの入っていた容器や、どんぶり型の容器を10匹づつヤゴを数えるのに使いました。 |
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今年は例年に比べてヤゴが小さく、救出する6年生も慎重にかごを覗き込みます。 |
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この日つかまえたギンヤンマのヤゴです。 昨年よりも数が減りました。 羽化間近の個体も昨年より少ないです。 |
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ヤゴ救出が終わり、田中つとむさんから今年度のデータの検証や自宅でのヤゴの飼育方法や聞きました。 |