しぜん探検隊の設立について

 

1.「上石神井小学校しぜん探検隊の設立にあたって」
練馬区立上石神井小学校 松田 祐一教諭

2. 「上石神井小学校しぜん探検隊のみなさんへ」
練馬区立小竹小学校 小坂 茜校長先生

3.「しぜん探検隊の思い出」
練馬区立上石神井小学校 平岡 正明校長先生

 

 

 

「上石神井小学校しぜん探検隊の設立にあたって」

(練馬区立上石神井小学校 松田祐一教諭)

H15.3 「春探し」の説明をする松田先生

 子どもたちが自由に虫を追いかけたり、草花あそびをした原っぱ。
  カブトムシを探したり、ドングリひろいをした雑木林。
  オタマジャクシをすくって遊んだ小川や池や田んぼ。
  この上石神井の町でもいつの間にかそのような環境は
子ども達のまわりから  ほとんど消えてしまいました。
 身近なこの町の中で子ども達がもっと自然にふれ、
  自然と遊ぶ中で自然や環境について学ぶことはできないものでしょうか。

 校庭に自然復元型の「トンボ池」(ビオトープ)を作り、整備していくことを目的に
  学校が主体となってよびかけをして発足した「学校ビオトープ準備委員会」から発展して、
  ただ池を作るだけでなく「トンボ池」作りを中心に身近な自然環境を
  広く見つめ直す活動をしていこうと、上石神井小学校の保護者と教員によって
1999年7月に生まれたのが「上石神井小学校しぜん探検隊」です。

 長年、池のなかった学校に「トンボ池」を作り、またそれを維持管理しながら、
  同時にこの上石神井の町に今も残る自然を見つけたり、
  自然を呼び戻したり、復元したりする方法を みんなで探る
息の長い活動を  していきたいと考えています。
 そのためには、学校の教員と子ども達の保護者と地域の住民が、
  一緒に考え、それぞれの立場でできることを進め、
  また情報を交換しながらお互いに支え合っていくことが必要です。
 
 このページを通して一人でも多くの方のご参加とご協力をお待ちしています。

1999年7月

 

 「上石神井小学校しぜん探検隊のみなさんへ」

(小竹小学校 小坂 茜校長先生より)

上小にいらしたころ(1997年)

 私は4年前まで練馬区立上石神井小学校の校長を務めていました。
現在は、練馬区立小竹小学校の校長です。

私が上石神井小学校とお別れする直前の3月に、保護者の浦さんがご夫婦で校長室にお見えになりました。
「校長先生。上石神井小にビオトープの池を作って、
子どもたちが自然と触れ合えるようにしてほしいのです。
私たち保護者がどんな手伝いでもしますから、ぜひお願いします。」
とのお申し出でした。
上石神井小は駅から近く、自然も少なくなっているので、子どもたちが生き物に関心をもつのに
願ってもないことだと思い、その場でOKしました。

残念ながら4月に転勤してしまい、私自身としては何もできず、
平岡校長先生に引き継いでいただきました。
古田島先生や松田先生からお話を伺ったり、HPを見させていただいたりして、
いろいろな活動を精力的に続けられていることに感心させられています。

浦さんのお申し出が、4年経った今、教員・保護者・地域の方々の三位一体の連携で見事に実を結び、
動物や植物に関心を持ち、自然を愛する子どもたちが育っていることを本当にうれしく思います。
それが上石神井小の教育の特色にまでなり、
子どもたちが自然とともに成長していることに驚いています。
ここまで支えてきてくださった探検隊の方々に、心から感謝の意を表します。

小竹小は、池袋から5分で、校庭の真下が地下鉄の駅という学校ですが、
小竹の森と名づけた憩いの林があり、
毎年おたまじゃくしがかえる手作りのコンクリートの池があります。
でも、もっと自然の池がほしいというので、教員と上石神井小の池を見学させてもらい
昨年度の6年生がザリガニ池を作りました。
5年生は巣箱を作り、学校や小竹の町のいろいろなところにかけて、
シジュウカラの巣立ちまでを観察しています。
40周年の子どもたちのスローガンは「小竹の子 自然を守り 木と共に」でした。

あと半月で、私も定年退職を迎えますが、上石神井と小竹の子どもたちが、
これからもずっと、自然を愛し、自然を守っていく子どもたちに育っていくことを願っています。

2003年3月

 

「しぜん探検隊の思い出」

(上石神井小学校 平岡正明校長先生より)

トンボ池のほとりにクヌギの木を植樹する
平岡先生

隊員・子どもたちとともに

今から4年前(1999年)の4月、私は上石神井小学校に赴任しました。
そして本当に恥ずかしい限りですが、その時初めて「ビオトープ」いう言葉を聞きました。
ビオトープというのは、一般に生き物をよびこむために生態系に配慮して作られた
人工の池、スペースなどを指す言葉だそうです。

本校でもそのビオトープ作りの計画が具体化されてきていたので、
さっそく協力していただける方を地域・保護者に呼びかけて募集しました。

やがてそのことはすばらしい結果を生み出しました。
地域・保護者の方の中からそのような方面に詳しい方、
興味を持った方が次々と名乗りを上げてくださり、
全面的に協力して下さることになったのです。

こうなるとあとは早いものです。
杭を打ち、土を運び、生き物を呼ぶような植物や水草を植え、
観察路を作る等の作業がどんどん進みました。
藤棚のとなりで長いこと干上がっていたただのコンクリートの池が、
みるみるビオトープ「上小トンボ池」に変身しました。

こうしてこの時ビオトープ作りを通して生まれたのが「上石神井小学校しぜん探検隊」です。
そして私もその隊長を引き受けさせていただくことになりました。

活動はその後もどんどん活発になり、トンボ池の維持・管理だけでなく、
上石神井の町の植物や昆虫、野鳥などをテーマにした「しぜん教室」や
石神井公園などでの「観察会」が、隊員のみなさんの力で開かれるようになりました。
夏にはヤゴやカブトムシ、寒い冬は霜や氷の観察…
虹をテーマにした回では実際に虹を作る実験をしたり、
上石神井の町の日の出を見るために朝早く学校の屋上に集まったりと、
とにかく毎回、魅力いっぱいのメニューに、たくさんの子どもたちや地域の方が参加して、
身近な自然に目を向け、一層の興味を持ってくれるようにもなりました。

学校のトンボ池にも、いつしかたくさんの「しぜん」がやってきました。
ヒキガエルが産卵に来てオタマジャクシが泳ぐようになり、
やがて都会では珍しいギンヤンマなどたくさんのトンボも産卵に来るようになりました。
アメンボも水面をスイスイ歩き回るようになりました。
プール開きの前に学校のプールから救出される幾種類ものトンボのヤゴや
水生昆虫などもトンボ池に移住してきます。

日本は四季の区別がはっきりしており、
それぞれの季節がそれぞれの特徴をはっきりと醸し出してくれます。
日本の自然は美しく、本当にすばらしいものだと常々感じています。
「しぜん探検隊」の活動を通して今後もこのすばらしい自然に
たくさんの子ども達、地域の方々が目を向け、またさらなるお力を貸して下さることを、
またそこで学んだことや体験したことが、子どもたちの学習に活かされ、
上石神井の町に自然を守り育てる心が広まってくれることを、願ってやみません。

                  

2003年3月