第2部 亥年に学ぶ身近な動物の話

第2部は図書室にて、イノシシ年だからこそ学ぶ、身近な動物について、案内人の伊藤雅人隊員の話を聞きました。
 

みなさん、おはようございます。探検隊はこれまで日の出を見た後に、冬だからこそ楽しめる実験を行ってきました。今年はがらっと変わって、「亥年に学ぶ身近な動物」と題して、おはなしをしたいと思います。
ちょうど1年前、探検隊は石神井川に落ちてしまったタヌキの救出に立会い、その様子をホームページや校内のギャラリーなどで紹介しました。この上石神井にタヌキがすんでいる、ということがわかって驚いた方もいらしたことでしょう。でも、昨年の終わりに、また新たな動物が発見されたのです。

 問題1 昨年末発見された、この動物はな〜んだ?

昨年(2006年)12月の終わりごろ、隊員の田中つとむさんは、自宅のすぐそばでこんな動物を発見し、写真をとりました。
さて、この動物の名前を知っていますか?
手をあげて答えてください。


1.イノシシだ!
2.キツネだ!
3.ハクビシンだ!

圧倒的に3が多いですね。答えは3のハクビシン。みんな良く知っていましたね。
ハクビシンは最近街中で見られる動物としてテレビニュースや新聞などで報道されるようになったので、見た人もいるかもしれません。ここで田中隊員がとった、とっておきのショットを見てみましょう。




これまたとびきりかわいい!
またこどものようですね。
な、なんだこの顔は!みんなも集合写真などで、「はいチーズ!」の合図なしにシャッターを押されてしまうと、こんな顔にうつることがあるかな。これは赤外線センサーを使っていて、ハクビシンが通ると自動的にシャッターが切れるようにして撮影したものだそうです。
 東京都23区のハクビシン情報


これは田中隊員が23区全部に問い合わせて作ったハクビシンの目撃情報です。こうやってまとめると、23区の中心部にはハクビシンがいないように見えるけれど、たとえば練馬区と北区の間にはさまれた板橋区内には全然いないのかな? いるかもしれないよね。ハクビシンは夜行性なので、夜にならないと見かけないし、見かけても暗い中だからネコやタヌキと間違われやすいんだよ。田中さんにもっと詳しいことを教えてもらいましょう。
(23区の詳しい情報はこちら

(このほか、ウサギの足跡の写真も紹介しながら、どうぶつを見つける方法について、みんなで考えてみたりしました)
 どうしてまちの中にハクビシンやタヌキが出てくるんだろう?

タヌキやハクビシンが出てくる場所は自然が豊かな地域だったはずなのに、なぜ今自然が少ないと言われる都会に、こういった動物が出て来るんだろう。
理由として次のようなことがあげられています。
  1. 動物たちのすみかである森や林が少なくなってきているから
  2. 里山がなくなってきているから。
  3. 人間が出したゴミがエサになるから
  4. 人間がエサをあげるから。
すべて原因は私たち人間にある、ということですね。1と2については、人間の都合による開発が原因です。
3と4についても、人間が直接の原因であることがわかります。
自然の中でタヌキやハクビシンがくらすには、エサである昆虫、小動物、植物などがたくさん必要です。これらが十分でなければ彼らは死んでしまいます。ところが、街中には人間が出したゴミがあり、またかれらにエサを与える人間がいます。そうすると、街中では本来自然界に生きられるよりも多くのタヌキやハクビシンが生きられることになるのです。こうして彼らの数は増え続けていきます。これは、はたしていいことなのでしょうか。






 問題2 タヌキやハクビシンのほかにも、最近街中に出てきて話題の動物は次のどれ?

       
      1.オオカミだ!
        2.カワウソだ!
        3.イノシシだ! 
     


絵が出ていてサービス問題だったかな。そう、答えはイノシシです。
そういえば今年は亥年でしたね。隊員の中にも年男が何名かいます。5,6年生の中にもきっと初めての年男、年女になった人がいるんじゃないかな

イノシシは本州、四国、九州に分布し、主なすみかは森林と言われています。
イノシシの子どもをなんと呼ぶか知っている? そうウリボウ(瓜坊)といいますね。子供のときにだけ見られる背中のシマ模様が瓜に良く似ているからだと言われています。


田中隊員が撮影した、とっておきのショット第3弾。

どうやって撮影したのか、田中さんにきいてみましょう。

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【田中さんのはなし】
奥多摩に撮影をしに行ったときに、たまたま畑のあぜ道で、このウリボウに出会いました。
どんな生き物でも子どもの頃はかわいいんだなあと思って近づいてみると、けっこう攻撃的で、思いっきり突進してきてカメラのレンズに鼻をぶつけたんですよ。
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でも、ウリボウがかわいい・・・とばかり言っていられない問題もあります。
昨年もテレビのニュースで、イノシシにのうさくぶつを食べられたり、人が襲われたりした話題が出ていましたよね。

生き物がそこにやってきてすむには何が必要だろう?

それではここで、生き物がすむにはどんなことが必要か、考えて見ましょう。
1.そこに食べ物がある。
  これは、すぐわかりますよね。
2.そこに、すみかがある。
  子どもを産んだり、かくれたりできることですよね。
3.天敵(てんてき)がいない
  天敵が多いと、みんな食べられてしまう。でも全く天敵がいなくても、増えすぎて生きていけなくなることがあります。

では、ここで話題をイノシシから急に変えて、みんなも良く知っているプールのヤゴ救出の話をします。

ヤゴの種類 平成13年の数 平成12年の数
アカトンボ型 1116 6803
シオカラトンボ型 32
オオシオカラトンボ型 65
ギンヤンマ 350
イトトンボ型
合     計 1534 6836

これは、上小でヤゴ救出をはじめて行った平成12年と、その次の年の平成13年にとれたヤゴの数の比較をした表です。

平成12年のときは、前の年に特に準備はせず、そのままの状態でヤゴを救出しました。
そのとき救出されたヤゴは、アカトンボ型のヤゴがほとんどで、約6800匹とれました。

その後平成12年秋に、水泳の授業が終わったあとで、プールに草を入れました。
翌年、平成13年にヤゴを救出したところ、これだけの大きな違いが出たのです。
まず、前の年にはいなかったあの大きなギンヤンマのヤゴが350匹もとれました。
一方アカトンボ型のヤゴは減ってしまいました。ギンヤンマに食べられたのでしょうか。

どうして草を入れたら、前の年にはいなかったギンヤンマのヤゴが現れたのか、わかる人いるかな?
アカトンボは水面にちょんちょんと卵を産んでいくのだけれど、ギンヤンマは植物のくきに卵管をさして、卵を産むのです。
だから、草を入れたことによって、ギンヤンマが卵を産める環境がプールの中にできたのです。
こういう風に、ちょっと環境が変わるだけで、すむ生き物まで違ってくるということを、知っておきたいよね。

イノシシの食べ物はなんだろう?
それではここでまたイノシシの話にもどります。さきほど、食べ物が必要という話をしましたが、イノシシの食べ物は何でしょう?
いくつ手をあげてもいいですよ。


1.ドングリやクリ
2.ミミズやカエル
3.野菜やくだもの
4.人間


全部、手をあげた人もいますね。それでは、実際のイノシシの頭がい骨を見ながら隊員の松田先生に説明してもらいましょう。

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【松田先生のはなし】
それでは、イノシシの「歯のつくり」を見てみましょう。
イノシシには、肉食動物にはない臼歯が発達していますね。またこの標本の臼歯には植物の繊維がはさまったまま残ってるみたいですよ。それに臼歯だけではなく、この牙のような歯を見てください。肉食動物のように犬歯も発達していることから、その食性=「雑食」がよくわかると思います。
したがって正解は1と2と3です。
でも、いくら人間を襲うからと言って、人間を食べているわけではないですよ。
生き物がそこにやってきてすむには何が
みんなでいっしょに考えてみよう

それではここでもういちど、みんなでいっしょに考えてみましょう

●夜中に生ゴミを、外に出しっぱなしにしたらどうなる?
●野生のどうぶつに、エサをあげたらどうなる?
●生き物の場所をうばっていったらどうなる?

・・・どれも、いいことにはなりそうにないよね。

天敵のオオカミが絶滅したからイノシシの数が増えたとも言われているので、こんな意見もあります。
○それなら、オオカミを復活させよう。
○いや、オオカミに代わって、人間がイノシシをもっと捕獲しよう。
そういったことが必要になっているのかもしれないけれど、実際にオオカミを絶滅させてしまったのもまた人間なんだよね。
どうしていけばいいか、こどもも大人も、いっしょに考えていかなければいけないと思います。


では最後に、人間の食べ物は何だろう

では最後の問題です。人間の食べ物は何でしょう?
いくつ手をあげてもいいですよ。


1.野菜やくだもの
2.ブタ
3.うし
4.とり
5.タヌキ
6.イノシシ

こたえは「ぜんぶ」だよ。
人間は雑食性の生き物。肉でも野菜でも食べます。
今は、どうぶつをつかまえてくれる人、それをお肉に加工してくれる人や売ってくれる人がいるから、自分で狩をしなくても肉を食べることができるけど、昔は、みんな狩をしていたんですよね。
それに、タヌキ汁だってあったし、イノシシが「ぶた」の祖先ということは、良く知られているよね。だから正解は「ぜんぶ」です。

それでは、そろそろ外からいい匂いがしてきました。食べ物の準備ができたようです。

ここでみんなに聞きたいのですが、「いただきます」の意味を知っているかな?
(女の子がすぐに手を上げて回答)そう、その通り。「命をいただきます」という意味です。
人間は、他の生き物のいただかなければ生きていくことができません。
だから、命のめぐみに感謝して、食べ物は大事にしよう。そしてきれいに食べようね。
それではお話を終わります。
生き物がそこにやってきてすむには何が
本日のスペシャルメニューは「しし鍋」でした!

お話が終わって参加者が外に出ると、そこにはあたたかい焚き火と、しし鍋が!
本日のしし鍋は本物のイノシシの肉を使った本格的なものでした。命のめぐみに感謝しながらいただく「しし鍋」は格別の味でした。

うしていけばいいか、こどもも大人も、いっしょに考えていかなければいけないと思います
焚き火をかこんで「しし鍋」タイム イノシシの肉ってこんなにおいしいのね!
〜参加者アンケートより〜
きょうのおはなし、しゃしんはとてもいいおはなし、しゃしんだとおもいます。もっとみたいです(1年)
イノシシはいろんなものをたべるんだな、と思いました。(2年)
ハクビシンというどうぶつをはじめてみて、とてもかわいいなとおもいました。(3年 )
イノシシやハクビシンのことなどがとてもくわしくわかりました。来年もできれば参加したいと思います。(4年)
いのししのこと、知らなかったことがわかってよかったです。ししなべを食べると(亥年生まれなので)共食いになりますが、おいしかった。(5年生)
今年はいつもよりきれいな日の出が見れた。ハクビシンとウリボウがかわいかった。(6年生)

きれいな日の出を見ることができてよかったです。富士山もはっきり見えました。つい何日か前、TVでハクビシンによる被害を放送していたのですが、練馬区にもいたなんて…びっくりしました。(保護者)
イノシシ講座はとても楽しく勉強になりました。食べ物のことイノシシのこと。標本の作り方にはびっくりでした。日の出も我が家からとてもよく見えるのですが、やはりみんなで見るのは格別。とてもきれいで来た甲斐がありました。土星も初めて見て、感激しました。(保護者)
6年間子どもと一緒に日の出を見ることができて幸せでした。毎年それぞれの日の出を見て、感動もひとしおです。今日はイノシシの頭がい骨の標本にびっくりしました。松田先生の手作りと知り、一層です。人間と生き物の関わり方、本当にきちんと考えていかなければいけない問題だと思います。(保護者)
必要だろ

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