秋のプールの生き物調査

まず活動に先立って、土屋隊員から虫たちの冬越しに関する話がありました。

プールにいると思われるヤゴの話、樹木へのこもまきはなぜする必要があるのか?という説明をしてもらいました。

当日の土屋隊員のお話はこちらをごらんください。

土屋さんの話のあと、みんなでプールにあみをいれ、どんな生き物がいるのかを調べました。

この日の気温27度、プールの水温17度、PHは7.4でした。

上石神井小学校の屋外プールは、通年9月の初旬にプールじまいをします。
今年度は9月7日の6年生の着衣水泳を最後にプールを閉め、翌週の12日に、5年生がヤンマおさそいセットを投入しました。
セットを投入してから45日後にあたるこの日、もうすでにプールの中には多様な生き物がいることがわかりました。

この日つかまえたヤゴの画像です。

右上のヤゴは、探検隊で「アカトンボ型」と呼んでいる、アカネの仲間のヤゴの形をしています。
大きさは8mmで、種はわかりません。

左下のヤゴは、ヤンマの仲間のヤゴの形をしています。大きさは15mmほどです。
おそらくギンヤンマのヤゴではないかと思われます。

これ以外に、イトトンボの仲間のヤゴ、コミズムシ、マツモムシ、ミズカマキリの子供?、サカマキガイ、モノアラガイ、貝の卵塊、フタバカゲロウなどが見つかりました。

つかまえた生き物の中で、ひときわ目を引く「なぞのヤゴ(アカトンボ型)」がいました。

小さなヤゴがたくさんいる中で、25mmはあろうかという大きさの立派なヤゴです。
おさそいセットを投入した直後のプールの水は、まだ塩素もかなり残っているはずですが、にもかかわらず羽化間近とも思われる堂々たる大きさがありました。
6月のプール開き前に、6年生が救出したコノシメトンボやアキアカネのヤゴとは、顔も体つきも違います。

ところで昨年11月の終わりごろ、プールで大量のヤゴが死んでいたことがありました。気温が急激に下がり、一気に冬のような気候になった頃でした。
今回つかまえたこの大きなヤゴは、そのときに死んでいたヤゴと同じような感じでした。

短期間で大きく育つこと、寒さに弱いことなどを考えると「なぞのヤゴ」の正体は「ウスバキトンボ」のヤゴではないか、と考えられました。
しかしヤゴの段階での種の同定は難しい作業です。
そこで今回も6月のヤゴ救出と同様に、希望する児童にヤゴを持ち帰ってもらい、暖かい家の中で育てて、羽化した個体を同定することにしました。
子ども達には「このままプールにいてもいつか寒さで死んでしまうけれど、みんなのおうちにいれば暖かいから羽化できるチャンスがあるかもしれない」と言って、羽化できなくてもガッカリしないように、という話をしました。

27日のヤゴ採取から10日たった11月7日、ヤゴを持ち帰った児童の家で、ついに1匹のヤゴが羽化に成功しました。(左の写真:武田 敏さん撮影)
やはりヤゴはウスバキトンボであったことが、羽化した個体でわかりました。

羽化に成功した秘訣は、エアコンで室温を21℃に保ったからではないかとのお話でした。

その後(11月8日、13日)5年生が理科の授業でウスバキトンボのヤゴとりをました。

6月の救出作戦のように、、プールの水を落としてヤゴとりをすることは今回できません。
6月とちがって、プールの水の中にはまだ孵化前の卵がたくさんあります。
排水口にネットがはってあるとはいえ、水を落とせば、小さな卵は水といっしょに流されてしまう可能性があるからです。

左の画像は、野草を入れていたネットをひきあげて、そこにいるヤゴをつかまえている5年生です。

結局2日間に渡って、3クラスがプールから合計787匹のヤゴをとることができました。
それ以前に採取したものを含めると約900匹ほどになります。

実際には、まだとりきれないヤゴを含めて1000匹単位のウスバキトンボのヤゴがいたのかもしれません。

(画像準備中)

そして11月12日朝、5年生が捕獲し学校の理科室で育てていたヤゴが、1匹羽化しました。

その後続くように2匹が羽化しました。
11月に入り、東京では寒い日が続いているため、理科室ではヒーターの入った水槽で、水温を25度にに保った状態とのものと、ヒーターなしのものと両方の条件でヤゴを飼育しています。

しかし羽化したヤゴは両方の水槽から上がっていました。
いくら水温が高くても、室温が同じであれば、羽化の条件はあまり変わらないのかもしれません。
しばらくヤゴの動向を観察したいと思います。

 

ここで、ちょっとコヒーブレイク 
    
 ウスバキトンボのヤゴを育てている土屋隊員のぼやき ・

もぉ、ここんとこ完全にウスバキのヤゴにバカにされてる気がするんだよねぇ・・・。

6月に飼育していたコノシメトンボのヤゴって臆病でね。
人が突然自分のいる飼育水槽の前に現れたりすると、
もうあわてふためいて水槽中泳ぎまくって、かくれるところ探したり、大騒ぎしたもんなんだよ。
でもウスバキって全然平気。
「何か用?」ってな感じ。

このあいだも棒にのぼりだしたからさ、
いよいよ羽化だなってカメラセッティングして待ち構えていたら、
一番上にまでいってさ、それで2日もおりてこないんだよ。
コノシメならそのうち棒の上で固くなって死んじゃうんだけどさ、平気で生きてんの。
しかも
見ている前で昇ったり、降りたりしている。


羽化用の棒を利用して水槽から脱出し、トレイの内部を歩いていたりしているので、
捕まえて、またペットボトルの飼育容器に落っことしてやったんだよ。
もしかして死んだかと思ったら生きてるんだよね、これが。


コノシメなら、何日も外にいたのがいきなり水の中にはいったら、
アップアップして呼吸おかしくして死んじゃったりするでしょ。
でも、いきなり水の中に入っても、これまた平気なんだよ、平気で泳いでいるわけ。
しかもこれをくりかえしたりするわけ。 あそんでんのかよっ!てかんじ。

なんか、コノシメのほうがデリケートでかわいかったな。
ウスバキにはず〜っとバカにされつづけてるよ。
 
いつ羽化してくれんのかな・・・。


本人のぼやきを忠実に(?)再現してみました。
その後残念ながら、土屋家のヤゴは羽化に至りませんでした。