ヤゴを飼ってみよう

ヤゴはトンボの幼虫です。水のなかで脱皮をくり返して成長したヤゴは、やがて水から出て、最後の脱皮をしてトンボになります。

飼育方法

 シオカラトンボやコノシメトンボ、アキアカネなどの小型のヤゴの場合
 20cmほどの飼育ケースで、4〜5匹を一緒に飼うことができます。
 飼育用ケースに水の深さが4〜5cmほどになるように水を入れ、割りばし程度の太さで長さ30cmほどの棒を、羽化のために立てておきます。
 底に剣山を置き、棒を刺して立てると良いでしょう。ヤゴはこの棒を上って水から出て、棒につかまったままトンボになります。
 ペットボトルを切ってつくった飼育容器の場合は、ヤゴを1、2匹ずつ飼いましょう。
 この場合は割りばしを割らずに容器の端を挟むようにして立てると良いでしょう。
 羽化のための棒は、少なくともなかにいるヤゴの数だけは必要です。ヤゴの隠れ家になる水草もいれるとなおよいでしょう。
 孵化は水からあがっておこなうため、ケースにふたはしません。

 ギンヤンマなどの大型のヤゴの場合
 ギンヤンマなど大型のヤゴは、水のなかで水草などにつかまって生活しています。
 飼育ケースはできれば大きなものが良く、40cmほどの飼育ケースの場合は4,5匹のギンヤンマのヤゴを飼うことができます。
 ケースの大きさが小さい場合は数を減らします。
 ペットボトルを切ってつくった飼育ケースの場合は、ひとつの入れ物に1匹のヤゴを飼うようにします。
 それでないと、えさが足りなくなったときなど共食いをしてしまいます。
 ギンヤンマの場合には、飼育ケースに砂利や砂をしき(なくてもかまいません)、直径1cm、長さ30cmほどの棒をヤゴの数だけ羽化用に立てておきます。
 水の深さは10cmくらいは必要です。ヤゴがつかまるための水草も入れると良いでしょう。
 
 どのヤゴの場合でも羽化のための棒をたてることが難しい場合は、飼育ケースを壁際などに置き、目の細かいネットや綿のひも、包帯などを壁に固定して飼育ケースの水まで垂らし、ヤゴが上れるよ うにしても良いでしょう。

エサのあたえ方

 ヤゴは、動いているものに反応して捕まえて食べるため、生きているえさを与えます。
 シオカラトンボやコノシメトンボなど小型のヤゴの場合は赤虫やボウフラ、イトミミズなどがえさとして手ごろです。
  アカムシ、イトミミズは適当な容器に入れ、中のものが流されてしまわない程度に水を流し続けておくか、またはエアーポンプで同じく中がかき回されてしまわない程度にわずかに泡を出し、水が濁っ たら替えるようにすると長持ちします。
 熱帯魚店などでは、イトミミズやアカムシ専用の保管容器(TUBEFIX BOX)が売られています。

 えさを捕まえたり飼っておくことが難しい場合、釣り道具店で売っている釣りえさ用のミミズで、できるだけ小さなミミズが入っているものを買うと良いでしょう。
 飼った容器(袋)のまま、涼しく暗いところに置けば、あまり手をかけずに生かしたまま保存できます。
 ミミズの数が多いので、友達どうしでひとつを買って、分けると良いでしょう。ギンヤンマのヤゴはこの釣りえさ用のミミズがベストです。
 複数のヤゴをひとつの容器で飼っている場合には、共食いを防ぐためにえさは食べ残すくらい十分に与え、食べ残しは割り箸やピンセットを使って取り除いておきます。

冷凍アカムシの利用について
 冷凍アカムシは熱帯魚販売店やつりエサの店で売っています。ヤゴは生きたえさしか食べないので、冷凍アカムシをそのままやっても食べません。
 冷凍アカムシをやる場合には、おはしの先でつまんで、ヤゴの顔の前でふってみるなどして、生きているように見せれば食べます。
 (生きたエサと比べると食いつきは若干悪いようです。)

ヤゴの観察

 ヤゴのえさのとりかた
 ヤゴは目を使ってえさを探し、近くで動くものがあると、折りたたんであった下あごをすばやくのばしてえものをとらえ、口元に引き寄せて食べます。ピンセットなどでえさをつまみ、ヤゴの顔の少し前に入れて動かすと、下あごをのばしてえさを採る様子を観察することができます。

 羽化が近づいたときの様子
 ヤゴはいろいろな種類がいますが、どの種類も羽化が近づくと、同じような行動や体の変化が見られます。

・翅芽の変化
 翅芽とはトンボになったときに羽になる部分です。終齢前のヤゴでは翅芽は小さくて薄いのですが、脱皮して終齢になると、翅芽がやや大きくなります。
 羽化が近づくとさらに翅芽は発達し、4本の円筒状になって伸び、付け根の部分も盛り上がってきます。

・行動の変化
 羽化が近づくと、羽化棒につかまり、水面近く、あるいは水面から顔をだして、あたりをうかがうようにしながらじっととまっていることが多くなります。
 またこのころはえさを食べなくなります。

・下あごの変化
 折りたたまれた下あごのなかには、下あごを動かすための組織がありますが、成虫では下あごを必要としないため、羽化が近づくと、下あごの中身がしだい
に後退し、羽化直前には完全に下あごの内部がからになり、透明になります。

・体の色の変化
 羽化の4,5日前になると、胸の部分など、からが透けて体の色が見えるようになり、その色はしだいに濃くなっていきます。

羽化の観察

 シオカラトンボやコノシメトンボ、ギンヤンマなどのヤゴは、ふつう日没から深夜にかけて羽化します。
 羽化のきざしが見えたら、室内を暗くして、物音を立てず、そばに近づかないようにしましょう。周囲が明るかったり騒々しかったりすると、警戒して羽化をやめてしまうことがあります。
 羽化棒を上り、背中が割れ初めて羽化が始まれば、周囲を明るくしても大丈夫です。ただし手で触ったりはしないようにします。
 羽化したトンボは飼育することがむずかしいので、そのトンボがもともと生息しているような環境の中にはなしてあげましょう。


 

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