SOCIETY
育 児
親が守るべき5つのルール
子供時代の食事の習慣が成人後の健康を大きく左右する
果物や野菜など体にいい食べ物を好物にするコツをアドバイス
クロディア・カルブ、カレン・スプリンゲン
健康にいいからと、ブロッコリーを使った料理をテーブルに並べる。でも、子供が嫌がって手を出そうとしない。親にとっては、おなじみの光景だろう。
だが、子供の食事の内容を冷静に分析したら、すぐにでもブロッコリーを食べさせたくなるかもしれない。
健康のためには、果物や野菜を1日に5種類以上は食べたほうがいい。だが、このアドバイスに従っているアメリカの子供は5人に1人。野菜を食べているといっても、フライドポテトの場合もある。
高脂肪の食事は肥満の蔓延を招いている要因の1つ。肥満の子供は、1960年代に比べて2倍に増えている。米国立癌研究所のスーザン・クレブズスミスによれば、今の子供の食事は「ぞっとする」ような内容だ。
子供時代の食事は、成人後の癌の発生率にどの程度の影響を与えるのか。この点は、まだわかっていない。女の子に限れば、太っていると初潮が早く訪れる傾向があるので、乳癌のリスクが高まるおそれがある。
大人にとっては、高脂肪で食物繊維が少ない食事は癌のリスク要因の1つ。常識で考えれば、子供の食事に注意を払うべきなのは当然だと、疫学者のウォルター・ウィレットは語る。
実際、子供時代に正しい食事の習慣を身につけると、その習慣は大人になっても維持されるケースが多い。「子供時代の食事が、生涯にわたって健康を左右する」と、アメリカ食事療法協会のキース・アユーブは言う。
どうすれば、子供の食事を改善できるのか。親が守るべき5つのルールを紹介しよう。
■幼いうちから、とれたての野菜や果物に触れさせる
収穫したばかりの作物を売っている農場直営の店に子供を連れていけば、体にいい食べ物の具体的なイメージを把握させられる。
「子供のころは、野菜は冷蔵庫で育つものだと思っていた」と、料理専門家のモリー・キャツェンは言う。だが、7歳になる娘のイーブは違う。彼女はとれたてのイチゴを2年前に口にして以来、それが大好物になった。
■飽きないように変化をつける
リンゴやオレンジだけでなく、キウイやマンゴーも与えよう。ピーナツバターを野菜に塗れば、子供が喜ぶかもしれない。
■遊びの感覚を取り入れる
ダイアン・ランドは、息子のエリック(7)に「信号サンドイッチ」を作ってやる。ピクルス(緑)と低脂肪チーズ(黄)、トマト(赤)を丸く切り、パンの上に並べて出来上がりだ。
■カムフラージュであざむく
2歳以上の子供は、脂肪から摂取するカロリーを総カロリーの30%以下に抑える必要がある。アイスクリームを欲しがったら、シャーベットを与えよう。
1日に摂取すべき食物繊維の量は、年齢に5を足せば割り出せる(単位はグラム)。「パスタのソースに豆を加える」「フルーツ入りヨーグルトに豆腐を混ぜる」――こんな工夫も大事だ。
■健康を害する食べ物とは縁を切る
クラッカーなら害はなさそうだと思うかもしれないが、体によくない脂肪酸が含まれている。体にいいオメガ3系列の脂肪酸を含むクルミを食べさせたほうがいい。
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食事を改善するうえで注意すべきことはほかにもある。
初めて出された食べ物を見て子供が嫌な顔をすると、食べさせるのをすぐにあきらめる親が多い。だが、大半の子供は初めて見る食べ物を敬遠するもの。子供が嫌がっても、5〜10回は食べさせるようにしたほうがいい。
「ホウレンソウを食べないと、デザートはなし」というしかり方もよくない。体にいい食べ物は好物を食べるためのハードルだと、子供が思い込んでしまう。
子供が泣き叫んでも、親が折れてはいけない。「『ほかに食べ物は用意していない』と言い聞かせるべき」だと、米疾病対策センターのウィリアム・ディーツは語る。「子供が喜ぶ別の料理をすぐに出してはだめ」
子供の食べ物の好みがすぐに変わると期待するのも禁物だ。
バーバラとスチュアートのショー夫妻はミカエラ(4)とパトリック(1)に、有機飼料で育てた牛の牛乳を飲ませ、自家製のパンを食べさせている。だがミカエラは、好物は「ケーキとアイスクリーム」だと言う。
それでも彼女は、体にいい食べ物と有害な食べ物の区別はつけられる。その違いをいつまでも覚えていてほしいと、両親は願っている。
ニューズウィーク日本版
1998年12月9日号 P.50

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