市民団体を多元的に見て

200389日 服部 順治

市民派NGOネットワーク http://nvc.halsnet.com/jhattori/NGO/

グリーンズネットワーク http://nvc.halsnet.com/jhattori/green-net/

 

 今まで、いくつかの市民団体に参加したり、サポートしてきましたが、これら市民団体を突き動かす原理を多元的に考えてみたり、目的別にどういう次元で存在するのか、つらつら思うままに書いてみます。

 ジャンル別には大枠として平和・環境・人権(労働)・福祉というように分けてみましたが、それら市民団体がめざす目的に動く、その原理をいくつかの次元別に分類してみます。

 

 まずオンブズマンや平和団体、人権団体、福祉団体の構成員を突き動かす原理的な意識に注目してみました。

すると、そこには、2項対立的な倫理意識が根底にあることがわかってきました。

例えば、

 オンブズマンでは 善(正)−悪、(法律的には 遵守−違反)

環境団体では 自然(保護・調和)−人工(破壊・アンバランス)

平和団体では 平和−戦争、

人権団体では 公平―差別、

福祉団体では 生―死

という具合です。

 

 これらは根源的な人間の感覚としては 生に対して、死のオリエンテーションをもつ行動や規範に対抗していくという本能的な自己防衛反応に基づく生存欲求が考えられます。簡単に言うと「悪いこと=死に至ること」に対する拒絶反応の1つじゃないかと考えるのです。

ただ違うのは市民団体の対象となる集団や行為が何か、ということです。

オンブズマンでは行政、企業、議員が対象であり、平和団体では戦争やそれにつながる行為、法整備であり、人権団体では市民の権利を蹂躙する行為や法整備です。

福祉団体では、よりよく、質の高い生き方を個人に対して実現するべく努力しています。

 

 次は対象が個人や地域などのローカルなものか、それともより公的なグローバルなものか、という次元です。

これは、個々の団体によってかなり変わり、また、構成員によっても違うでしょうが、

とりあえず、概観してみますと、

 オンブズマンでは、行政や公務員などの行為をチェックするという意味ではかなり対象は公的な団体であることが多いようです。

 環境団体では、ローカルな地域や、さらに小さな単位では、1本の木を守ろう、という運動や団体もあるし、逆にグローバルには地球の温暖化などの地球規模の国境を越えた取り組みを余儀なくされている環境団体もあり、こうなるとかなりグローバルな地球が対象となってきます。

 平和団体では、概して、国どうしの争いを避ける、平和を維持するという意味で、本来、

グローバルな、国というレベルが対象になっていることが多いようです。

 人権団体では、ある個人の救済を求めるローカルなものから、やはり、死刑反対などの法整備が対象となったり、労働者全体の権利というグローバルな問題に取り組む団体もあります。

 福祉団体では、もっぱら個人や地域福祉というローカルな目的のところが多いようにみえます。

 

 次は時間的なタイムスケールが大きいか、小さいか、という次元です。

地球温暖化への取り組み、というと数十年から100年ぐらいを要して解決できるかどうか、という問題です。ただ環境を破壊する建築や道路建設反対など、あまり長くかからない問題と取り組む団体もあります。

 

 さて、市民団体が取り組んでいる問題に対して、市民団体自体を評価するポイントを考えてみましょう。

市民団体はシングルイシューといって、目的とする1つの問題などに関して、法律や科学の知識や技能を駆使して、論理的に問題の本質を解析し、法律やなんらかの解決方法を提言していく、という問題解決能力を求められています。

また寄付などを多く募るために、一般の人たちに広く呼びかけ、市民団体への参加をうながしますが、その方法としては、広く一般の人に事実を伝えるという、メディアの機能をもつ必要が、あります。

そこではまず、興味をよせるためにアイキャッチとして人間の感情的側面に訴える必要があります。その後、運動として継続していくためには、論理的に問題を解析し、参加している人たちにも、その因果関係などを説明し、理解し、納得してもらうことです。そして、具体的な解決方法を考え、例えば、組織形態の変更、政策提言、法律提案にむすびつけていきます。

これらサイクルを機会あるごとに個々の人たちに繰り返しアピールしていくことで個々の市民団体の目的は達成されていくのではないでしょうか。また、それが市民団体の役割ではないかと思います。

具体的には、平和団体では、「それはかわいそう」とか、「こんなのに自分も巻き込まれるのはいやだ」という人間の感情に訴え、それに共感をもち、反対運動に参加してくれるパターンが多いのではないかと思います。(ある程度、自分の問題としてとらえられるように身近な話題や問題に分解してあげるのです)

もちろん、みんな「戦争はいやだよね」という共通の認識をベースにしているため、共感を得やすい面も大きいのです。ただ、逆に言えば、のどもと過ぎれば、なんとやらで、デモなどで一時的には大きく盛り上がりますが、論理的な問題解析、そして解決案の提案まで、継続的なモチベーションを維持していくのが難しい場合が多いようです。(^_^;

 その点、環境団体も「みどりを残したい。これ以上、自然がなくなるのはいやだ」ということでは、同じように感情的な側面に訴え、行動に結び付けていることが多いのです。

もちろん政策提言など、論理的なアプローチをとっているところもあります。

 

 以上、簡単ですが、市民団体の目的意識を多元的に見て、まとめると

 

     悪に対抗する倫理意識の度合い(勧善懲悪度)

     個人やローカル地域から、より広いグローバルな度合い(グローバル度)

     タイムスケールの長さの度合い(タイムスパン度)

 

そして、市民団体の全体の能力評価の目安としては、

広報として、広く一般の人に事実を伝え、まず、人間の根源の感情に訴えて関心をおこし、参加をうながし、次に論理的に問題を解析し、恒久的な解決方法を提案し、実現させる、ということになります。それらを多くの人の理解を得て、いかに速やかに実現できるか、ということが評価のポイントになるのでしょう。

 

 さて、みなさんの所属したりサポートしている団体を上記の尺度で分類して、評価してみませんか?

(^_^;

 

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