◆日本がん患者団体協議会について
1990年代に入り、欧米では次々と新しい画期的な抗がん剤が開発され、
がんの薬による治療は急速に発展し、これまで治療が困難であったがんにおいても、
一部には治癒が得られ、またほとんどのがんで延命または症状のコントロールが可能になりました。
欧米では、数多くの臨床試験の結果に基づき、こうした抗がん剤を評価し、
科学的根拠が十分にあり、使用を推奨する標準治療薬を選定し、
米国国立がん研究所のホームページなどで一般に公開しており、
誰でも知ることができるようになっております。
しかしながら日本では、こうした欧米の標準治療薬の内、
保険診療で使用できない薬剤があまりに多く、
日本のがん患者は本来享受するはずの世界の医学の進歩から取り残されております。
このような現状を改善しようと、日本のがん患者団体などは以下の活動を行って参りました。
2001年
○2月 7日 がんナビゲーション市民ネットワークが、ホームページ上で、厚生労働省に
「リンパ腫治療に対して、Rituxan(リタキサン)の保険適用を早めよ!の陳情メ
ール」をはじめ、その後「抗癌薬および副作用防止薬の早期一括承認を求める要
請メール」も開設。
○2月27日 癌と共に生きる会が、坂口力厚生労働大臣宛に「抗癌薬および副作用防止薬に
関する緊急措置請求書」を送付。
○5月30日 癌治療薬早期認可を求める会が、「がん治療薬、特に肝がん再発予防薬の早期
認可に関する請願書」に10万筆以上の署名を集め、土井たか子他紹介議員に
提出。また同日、同じ内容の要望書を坂口力厚生労働大臣に提出。
○5月31日 癌と共に生きる会が、「抗癌薬および副作用防止薬の早期一括承認を求める要
請書」に5万筆以上の署名を集め、桝屋敬悟厚生労働副大臣(当時)に提出。
○6月29日 癌治療早期認可を求める会の請願が、衆議院本会議で採択され、内閣に送付。
○10月13日 癌治療薬早期認可を求める会と癌と共に生きる会は連名で、坂口力厚生労働
大臣に、「癌治療薬の使用に関する要望」を送付。
○12月7日 明日の医療を考える会の「新薬の早期承認に関する請願」が、衆議院・参議院
両本会議で採択され、内閣に送付。
しかし厚生労働省は上記の要請などに対して、
「ご指摘のとおり、欧米諸国で既に承認されている抗癌剤が我が国では未申請であったり、
申請された効能が一部であったために、承認内容も一部に限られているものもあります」
と欧米の標準治療薬が日本で使えない現状を認めながらも、
製薬会社から申請がないことを理由にその状態を放置してきました。
欧米の製薬会社が申請しない理由は、例え欧米で承認され使用されている抗癌剤でも、
厚生省(当時)が日本で一から臨床試験のやり直しを求めてきたため、
莫大な費用がかかり、採算が合わず、申請をあきらめざるをえなかったからだといいます。
厚生省(当時)は、ようやく平成10年より海外データの受け入れを開始しましたが、
これまでに日本での臨床試験を求めずに適応が拡大された抗癌剤は、
わずか2剤しかございません。
日本では毎年30万人が、がんで死亡しております。
がんの患者数は少なくともその倍の60万人ともいわれ、
そうした日々がんと闘っている患者たちは、欧米の標準治療薬が
一刻も早く保険適応され使えるようになることを切望しています。
厚生労働省は白書の中でEBM(科学的根拠に基づく医療)の推進をうたっているにもかかわらず、
申請されなければ承認できないという立場にこだわり続けているため、欧米の標準治療薬の内、
約180種類(がんの種類によって重複する薬剤も含めて)にものぼっている
未承認および保険適応外の抗がん剤は、いつまでたっても使えるようにはなりません。
こうした現状を打開するために、2002年2月14日、下記の4団体が会合を持ちました。
○明日の医療を考える会 理事長 山崎文昭
○癌治療薬早期認可を求める会 代表 三浦捷一
○癌と共に生きる会 会長 新山義昭
○がんナビゲーション市民ネットワーク 代表 服部順治
4団体は、日本のがん治療の水準を欧米並みに引き上げるために
協力して活動していくことで一致し、新たに「日本がん患者団体協議会(JCPC)」を設立し、
一年以内に上記状態を改善することを目指して活動していくこととしました。