報告
2002年3月20日、衆議院第一議員会館で、仙谷由人議員、家西悟議員、今井澄議員の提案による、厚生省保険局医療課(渡辺由美子・課長補佐、村上貴久・薬剤管理官)と医薬局審査管理課(池谷壮一・課長、山田雅信・課長補佐)へのヒアリングが行われた。JCPCからも二名(石田、木村)が出席した。
1.世界標準薬の承認について質問。(仙谷議員)
・三浦氏のレチノイドの治験参加については、国は治研参加を認めたが、メーカー(日研化学)側の審査で難航している。
・新薬承認のスピードは以前に比べずっと速くなり、例えばグリベックという薬は7ヶ月弱で承認した事例もある。
・現在3〜400の薬を治検中であり、それらの薬は、早ければ2、3年中、平均で5年程での承認を目標にしている。
2.治験のオープン化について質問(今井議員)
・治研を依頼する企業が、新聞広告などを使って治験の参加者を募集することは、治研薬の名前や効能を示唆するような情報を省く(なぜなら、あくまでも未承認の薬であるので)かたちで、認められることになった。
・どこでどのような治研が行われているかについては、立場上、医薬局ではオープンにすることはできない。しかし、業界の協力を得た薬などの場合に限って、医政局がインターネット等を通じて患者に公表できるようにすることを検討しているようだ。
今井:もっと、緊急の現状に対し、すぐにやらなければならない対応についてお伺いしたい。つまり現状では、医師でさえも治験をどこでやっているか分からないシステムになっている。だから、インターネットで国民にオープンにすることよりも先に、緊急にしなければならないことがあるのではないか。また、何かの努力をいったいどこが始めるべきなのかをうかがいたい。それは、厚生省か、製薬会社か、学会なのか。
池谷:そういうことに、厚生省が指導制を発揮するということは、なかなか難しいと考える。
また、治研に関する朗報として、まだ法案提出はされていない話だが、医師が治療のために治研薬を使う場合は、IRB委員会などのような医療機関内で薬などの安全性が審査できる体制がある場合に限って、特例として、製薬会社は薬を供給しても薬事法違反を問わないというシステムを検討中だ。IRBがないような小さな医療機関の場合は、地域の医師会でその役割を果たすことも一案だ。
ちなみに、今までは製薬会社が主導で届け出(医療機関と患者を指定)をする場合についてのみ治研が認められていた。そして、上記のアンダーラインのように、医師の主導による治研の場合に、製薬会社がその薬物を提供することは、無許可無承認の薬を供給したということで、製薬会社が違反を問われるというシステムになっていた。
石田:2層以上の治研薬の治研外使用を認めるというアメリカのパラレルトラックのような制度はどこが考えるべきなのか。患者が使用する権利が欲しいという要望に対して答えるのはどこの範疇なのか。
池谷:製薬会社の商品管理の問題です。
3.つづいて、患者ニーズの多様化への厚生省の対応について(診療報酬の改定の関係での厚生労働大臣の告示)の説明(医薬課・渡辺氏より)
混合診療の禁止の例外として、特定療養費制度(健康保険法)という法律があるが、今回、その範囲を拡大する決定をした。
○薬事法で承認を受けているが、保険収載前の医薬品の使用について。
今までは、薬事法の承認を受けてから、実際に薬価基準で収載されるまでの保険摘要はなかった。その間のタイムラグが通常の場合で2、3ヶ月であった。今回の改正でそのタイムラグを埋める措置として、その間を特定療養費制度の拡大として混合診療を認めることになった。
○外国では承認を受けているが、国内の承認をまだ受けていない医薬品についての混合診療について。
今まで通り、保険医が医薬品を輸入する場合の混合診療は認めることはできない。なぜなら問題が起きたときの責任が国にあるからである。しかし、患者が自己責任を前提に薬を個人輸入するという行為は、その保険診療の考え方とは切り離して考えてはどうかという議論をした。その結果、患者の自己責任を前提に薬を輸入する場合は、混合診療を認めることになった。具体的には、入院料などの基本的部分は保険摘要にし、個人輸入する部分の費用と何かあったときの責任は患者が負うということである。また、患者自身が個人使用という目的で治療し、用法用量が1か月分までであれば、特に医師の証明なく輸入でき、税関限りの確認で輸入できることにした。しかし、1ヶ月以上の量であれば、今まで通り、医師の書類などを揃え、約款証明を取得する必要がある。
4.医薬品の申請に関する質問(石田)
池谷:医薬品の申請と認可の問題に対する一つの方法論としては、アメリカの様に患者団体が製薬メーカーに行き、製薬会社を動かすという方法も検討してみてはどうか。
我々の医薬局は、申請された薬を正確に、公平に採点するという役割分担から、申請されたものについて早く承認をするという努力は可能だが、製薬会社に薬の申請を早く出せというのは筋違いの話である。しかし、医政局ならば医療全体をしきる立場から、そのような政策をとれるかもしれない。
石田:適用外の医薬品認可の件で、海外のデーターのみで認可が降りる場合と、最低限の治研が必要な場合とがあるが、その基準がわからない。治研にはお金がかかるので、企業として申請してもうまみのない医薬品は何とか国で対策をうつべきではないのか。例えば、アメリカ政府がするように、そういう申請に対して企業に何らかのお土産をつけるといった方法も厚生省は検討するべきではないのか。
池谷:それは、医療政策の話だろうと思う。
石田:医制局はそのような専門的な薬の検証までできるのか。この薬剤がこの病気に対して必要だということは、やはり、審査管理課の範疇ではないのか。
池谷:いえいえ、うちは出てきたデーターでやる・・
石田:では、この薬がこの病気に対して必要だという判断は、どこがするのか。
池谷:医師の判断だと思います。
石田:では、長年医師が必要だと言いつづける医薬品の、認可が降りないなはなぜか。
池谷:医療政策です!あの・・いくら我々に言われても、申請書が出てこない限り、手も足も出ないというのが、我々、医薬局の立場です。医政局研究開発課は医療技術の研究開発も担当している。もれ聞いた話によれば医政課は、以前、小児摘要のある薬が少ないというので、使える薬を増やして欲しいと小児科学会からご提言いただき、いろいろ改善した経験もある。
また、医政局のかかえる医薬品機構(特別認可法人でいくつかの企業の集まり)は、製薬会社が申請・開発したいときの相談窓口であり、そこでデーターの信頼性のチェックをしているので、医政局でも、十分薬に対する知識はあると思う。
また、医薬品食品衛生研究所には審査センターがあり、そこが科学的評価を行っている。そこは、薬学、医学、理学、獣医学などの合併集団をかかえていて、そこで事務局審査を行っている。それができるようになってから、大分審査が早くなった。
5.ガイドラインについて質問(仙谷)
仙谷:愛知病院の有吉先生が中心で作成られた抗がん剤のガイドラインについてはどこに聞いたら詳しくわかるのか。
池谷:調べて連絡します。
6.腫瘍内科医の問題についての質問(仙谷)
池谷:医学教育の問題は文部化学省の管轄で医師国家試験は医政局である。