Web3.0世代の市民メディアとしての1つのビジネスモデル

2007年8月12日 市民メディアネットワーク 世話人 服部順治

 唐突ですが、みなさんに「現在の史上最高の性能を誇る超高速で超大容量のデータを処理できるコンピュータシステムは何か?」、と質問したら、何と答えるでしょう。

 物知りの人なら、大体、米エネルギー省ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)にあるIBMのBlueGene/L(LINPACKベンチマークは280.6TFLOPS)と答えるでしょう。

 ところが本当はBOINC( 約476TFLOPS 2006年10月31日 平均値)なのです。これはみなさんの使っているパソコンを何百万台も接続して、空いている時間に計算を行う、という市民参加型のいわゆるグリッドコンピューティングシステムなのです。
 私もこのシステムを使った白血病の薬の開発プロジェクトに参加して、もう3年以上、たっています。

 みなさんの中にも、この宇宙から宇宙人を探そうというSETIのプロジェクトなどにボランティアで参加されている人もいるのではないかと思います。

 さて、Web3.0は誰もまだ明確に定義していませんが、Web本来の目的が何かをまずとらえるとして、その進化のコンセプトが何かを明確にしましょう。

 まずWebの目的とは何かと申しますと、「情報の共有化」です。わかりやすい身近なシステムとしては、インターネット上のデジタル図書館などがあります。

 そのWebの基本にあるのは、まず情報提供(情報発信)、すなわち情報のデジタル化です。

 ただWebサービスが始まったWeb1.0世代では、その情報発信をする人たち、と言うのが、特に限られた人たちでした。それが、Web2.0の「ブログ」や「Wikipedia」、「YouTube」、「Amazon.com」、「JanJanなどの市民メディア」、その他、オークションサイトなどの発展でどんどん、一般の人たちにも裾野が広がってきました。
 その利用する人たちの裾野の広がりという意味でも、Web1.0世代ではある特定の人たちに限られていたのが、Web2.0世代ではブログやSNS、携帯サイトなどの普及も伴って、若い人たちを中心に広がってきました。そして次の世代のWeb3.0世代では 、よりシームレスな情報発信、情報交換ができるようになる、ということが大きなコンセプトとして定義します。そこでは子供やお年寄りなどが意図して参加しなくても実質的に情報発信 (情報参加)できるようにしてあげることが必要になってきます。簡単に言えば、従来、オンラインバンキングなどの、かなりセキュリティのガードが高いサイトにはいるのに、いちいちパスワード入力などのログイン操作が必要でしたが、その煩わし認証操作を意識させ ないことです。そのためには情報発信 、情報交換のための強固なセキュリティと社会的にも認められた自動認証システムの構築が不可欠です。
 同様に、シームレスな情報参加としては、リアルタイム性も欠かせません。瞬時に、意識しなくても必要な情報なら共有のインターネットのデータベースに、その時、その場所の情報がアップされ、更新されていくのです。

 そういうWeb3.0世代に欠かせない市民の側で必須のソフトは何でしょうか?
それは私が約10年前、アメリカから帰ってきた1996年に構想を始めた、パーソナルサーチエンジンをベースとして 、自動応答認証システムも組み込んだソフトです。それは必要な情報提供要求や問い合わせに対して、信頼してよい対象の相手(主治医や取引銀行)からならば自動的に判断して、そのセキュリティレベルに応じた情報を提供し、逆に欲しい情報に対して、常にアクセスして探して、情報が入手した段階で、その所有者に知らせてくれるパーソナルサイバーエージェントというソフトです。それは、これからは携帯などの端末にも搭載されるでしょう。

 このパーソナルエージェントの機能をユーザーにとって便利な機能として市民に提供し、その一方では必要なコンピューティングシステムとして、空きの時間を使わせてもらう、というビジネスモデルが今後の大きな市場をもつ、Web3.0世代の市民メディアのビジネスモデルの1つになっていくのでは、と考えています。

以上

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